題名のNever Let Me Goは主人公が子供時代に好きだった歌です。

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Never Let Me Go

Never Let Me Goは2005年に発表されたKazuo Ishiguroによるサイエンス・フィクションです。

 

2005年のブッカー賞最終候補作に選ばれました。
2010年にイギリスで映画化され、2014年には多部未華子主演により舞台化されました。

 

Kazuo Ishiguroは2008年に『タイムズ』で「1945年以降の英文学で最も重要な50人の作家」の一人に選ばれました。
1989年に発表されたThe Remains of the Dayで同年のブッカー賞を受賞しています。
題名のNever Let Me Goは主人公が子供時代に好きだった歌です。

 

 

あらすじ

主人公のKathyは31才の女性。
彼女の生い立ちが回想として語られる。KathyはイギリスのHailsham(仮想の地名)の寄宿舎で学生時代を過ごす。
学生たちは外界から遮断され、自分たちは特別な子どもで、非常に重要な役割だと教えられていた。18歳になり寄宿学校を卒業しそれぞれの道を歩いていく。
Kathyは卒業後リカバリーセンターでドナーの世話をするケアラーとして働くことになる。
しかしドナーもケアラーも人工的につくりだされたクローン人間だった。
人を好きになる事も絵を観て美しいとも感じることができるクローン人間。ドナーは臓器を2回か3回提供し役割を終了する。クローン人間はドナーになるまでケアラーとして働く。
寄宿舎時代の友人がドナーとなり彼らの死を見届ける。そしてKathy自分の順番がくるのを静かに待つ。

 

 

感想

Kazuo Ishiguroの作品は読みづらいと言われることがありますが、Never Let Me Goは読み易い作品のうちのひとつです。
物語の冒頭で主人公はクローン人間だという事実を先生から授業中に明かされます。
主人公がクローン人間だとわかっていても、物語がすすむにつれてその生き方にやるせなさを感じました。クローン人間として死ぬのがわかっていても抵抗しません。
友人が臓器提供を終えて死を向かえても悲しい感情はあるもものそれをあらわにすることはありません。淡々と進むストーリーでクライマックになるような大きな出来事はなく小説は終了します。
人の命を救うためだけに作られたクローン。感情も見かけも人間とまったく一緒。ただ人間の様に生きるとゆう権利はありません。

 

 

まとめ
  • クローン人間の悲しい運命
  • Kazuo Ishiguroの創造力に惹きこまれる